こんにちは、威吹電男です。
理系(農学)の大学院を卒業して以来、食品工場で製造のお仕事をしています。
農学部から食品は王道のコースとはいえ、
「院卒なら研究職なんじゃないの?」と思う方も多いと思います。
それが、社会の底辺と揶揄されることもある工場勤務とは、実際どうなのか?
今回、僕のリアルな体験をもとにお伝えしたいと思います。
目次
院卒の僕が食品工場で半年間働いてみた感想
仕事選びの後悔は、ほぼない
結論、今の職場を選んで良かったと思っています。
理由は以下の3つです。
- 仕事に興味が持てる
- 大企業らしく制度がしっかりしている
- 人間関係が良好
順に解説します。
仕事に興味が持てる
大事ですね。
食品工場における主な仕事というのは、「高品質な製品を、いかに効率良く生産するか」を考え、実行することです。
高品質=「おいしい」「衛生的に問題がない」といったことですね。
失敗が許されない仕事なので、几帳面で慎重な性格の僕には向いていると思います。
また、僕は私生活においても、「効率の良さ」を重要視しています。
食品の研究職は、「製品の品質を上げる」、「新たな製品を生み出す」こと等が目標だったりしますが、
僕はそういった仕事よりも、「少ない労力で最大限の成果を生む」ことを考えるのが好きなのです。
既存の課題を仕組みで解決する、なんかもそうですね。
現状の仕事は、ラインで体を動かすことがメインになっていますが、いずれ管理職になればそういった仕事が増えるはずなので、期待しています。
大企業らしく制度がしっかりしている
工場というよりは、会社全体の話になります。
僕の勤めている会社は、東証一部上場企業であり、それなりの規模はあるのですが、さすが、大企業は制度がしっかりしています。
食品工場らしく、衛生管理がしっかりしているのはもちろんですが、
例えば新人の教育も、「このように指導してください」という感じのマニュアルが人事から通達されていました。
最初の1年間は、年齢の近いOJT指導員が1人付き、その人からいろいろと指導を受けます。
定期的に、上司も含めた面談もあります。
大学時代の友人の中には、特にそういった教育はされず、適当に「これやっといて」みたいな感じで仕事を振られるという話もありました。
歴史の浅いベンチャーとかだと、忙しくて新人の教育まで手が回らないこともあるでしょうが、それだとよほど意識の高い新人でない限り、成長も遅れてしまいますからね。
ある程度はあらかじめ決まっていた方が、新人も上司もお互い楽だと思います。
あと、これも重要ですが、仕事が忙しくて休憩が取れないということもありません。
うちの会社は体力仕事ということもあり、一日3回休憩があるのですが、人が足りていない日でも、場合によっては生産ラインを止めて、休憩を取らせてくれます。
残業もほぼありません。今のところ1日の平均残業時間は10分くらい。もはや残業してるうちに入りませんね。
それでも、1か月だと10分✖️20日=約3時間ですから、その分の残業代が支払われます。ありがたい話です。
人間関係が良好
工場にはいろんな人が混在します。
社員だけでなく、仕事は現場オンリーの派遣社員・準社員もいます。
頭よりも体を使う系の人たちです。
社員はそんな彼らを統率するような立場なのですが、まあ、住んできた世界が違う場合がほとんどなので、難しいわけですよ。
ただ、僕はそういう人たちと話すのも好きなので、特に大きな苦痛はありません。
仕事を円滑に進めるためにも、もっと仲良くなりたい。
あと、意外にもコミュ障は少ないと感じました。
偏見ですみません。
そして、何よりも救いだったのが、社員である上司が明るくていい人だということです。
セクハラ・パワハラはもちろんないし、みなさん仕事に関して前向きです。
重苦しい雰囲気もなく、事務室はいつも和やか。居心地が良い。
これは相当な優良企業に入ってしまったようです。
職場で感じる課題
ただしもちろん、良いことばかりではなく、引っかかる点もあります。
以下の3つですね。
- 機械化が未達で体力勝負
- 優秀な人は少なめ
- 夜勤が不安
順に解説します。
機械化が未達で体力勝負
うちの工場は古くからある工場なので、最新の機械とかはおそらく置いていません。
もちろん昔と比べたら進歩はしているでしょうが、それでも人が体を動かす仕事はまだまだあります。
「それ、機械にやらせた方が良くね?」みたいな。
まあ、程よく体を動かす仕事=健康になれるというメリットもあるんですけどね。
機械化が進んでいないとはいえ、改善の意志は見えるので、今後に期待したいと思います。
また、食品工場といえば、単純作業のイメージが大きいかもしれません。
実際そうなのですが、1人でする作業だけでなく、仲間とコミュニケーション取りながらの連携プレーもあります。
まるでチームスポーツのようです。
機械の音がうるさい中で会話する必要があるので、大声を出すのが苦手な人にとっては辛いかもしれません。
僕は元コミュ障ということもあり、大声を出すことが非常に苦手だったのですが、ここで働くことにより日々声が大きくなっていってるのを実感しています。
ちなみに僕にとってこれはラッキーです。
最近人と話すのが好きになりましたから、これまでのように会話の中で聞き返されることも減っていくだろうと思います。
ポジティブ思考。
優秀な人は少なめ
うちは一部上場とはいえ、誰もが知ってる超人気企業ではありません。
どちらかというと知名度は低い方です。
ですから仕方ないことではあるんですけど、人がそこまで集まらないので、必然的に優秀な高学歴の人も少ないです。
僕は筑波大学卒ですが、おそらくかなり高学歴の部類です。
最近は特に、YouTubeや本でいろいろと「賢い仕事の進め方」などを勉強しているのですが、見たところそれを実践できている上司は少ないように思えます。
既に書いた通り、性格はめちゃくちゃ良いのですが、
論理的に話すとか、課題を仕組みで解決しようとするなど、「僕だったらもっとこうするのに」と思うことも時々あります。
まあこれはどこの会社でもそうなのかもしれませんが、出世してる人たちを除き、いわゆる意識高い人が少ないのです。
お金のために、とりあえず働いてる感。
僕が出世して、変えていくしかないのかもしれません。
ちなみに僕が今の会社を選んだ理由として、ここを見越して出世しようと思っていたからというのもあります。
ですから、残念な気持ちはそこまでありません。
こちらの話が通じないのは困りますけど(笑)
夜勤が不安
僕が一番気にかかっているのがこれです。
工場であれば、食品に限らずよくあると思います。
夕方〜深夜まで働きます。
給料は日勤より数万高いらしいですが、これをやってしまうと、生活リズムは崩れます。
何より不健康そう。
しかも、夜勤の人は日勤よりも性格が荒い人が多いらしい。
穏やかな人が好きな僕には不安しかありません。
強いメンタルが必要です。
ただ、まだ夜勤を経験するのは先のようなので、その時、実際に夜勤をやってみた後で、その後どうするかを考えることにします。
しかも、出世すれば夜勤に行くことはないようです。
これはもう全力で出世するしかありませんね。
無駄なプライドは捨てました
既に書いた通り、僕は工場勤務を選んだことを後悔はしていません。
性格的に、研究者が向いていないわけではありませんが、結局はやってて楽しい仕事をしたいですからね。
工場勤務は社会の底辺と揶揄されたりもしますが、特に気にしていません。
実際そう言われるのは、ひたすらラインで力仕事のみをしている派遣社員の人たちのことであり、僕ら社員はもう少し上流の仕事ができるのです。
理系院卒なら、それらしく頭を使って活躍したいと思います。
すみません、派遣の方々をバカにするつもりはございません。
派遣も自らその仕事を選んで、何かしらの意義を感じてやっていると思いますし、彼らがいなければ工場は回らないので、日々感謝しています。
この世の仕事は全て研究です
研究職を捨てた僕ですが、僕はあらゆる仕事は研究だと思っています。
どんな仕事も、それをどううまく進めるかについて、研究が必要なのです。
そして、その研究対象に興味があるかどうかで仕事の楽しさが決まります。
僕も、研究そのものが嫌いというわけではなく、製品の品質改善よりも、生産効率化に関する研究がしたかっただけです。
たまたまそれが「研究職」という名前ではなかっただけ。
さて、明日からまた仕事。
出世目指して頑張ります。
報われそうになかったら、転職します。
ではまた。